日記というか。

……まあ、日記です。同人向注意。

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花格子 21

お久し振りの花格子更新です。
頭がふらふらする(寝過ぎです)。
なんかちょっと、色々溜まっていて逆に寝てばかりという、悪循環。

もうそろそろ終わりが見えてきたかな?という所です。













幸村が上杉から千鳥足で帰ってくる頃には、日が暮れていた。
日が暮れた喧騒に満ち溢れる遊里のその中を、幸村は歩いていた。
妙に、兼続に逢いたい気分だった。
(兼続殿は、私の事を……)
想ってくれている算段が高い。その事実が、幸村を浮かれ酔わせていた。
兼続に、早く逢いたい。逢って、この気持ちを吐露したい。『私も貴方と同じ気持ちでした』と告白したいのだ。
気だけは急いて早足で進もうとするのに、酔いがその足元をふらつかせる。
人にぶつかりながら、幽鬼の様にふらふらと彷徨い歩く。
何人目かにぶつかった時。
「あ、すみませ……」
「なんだ、幸村じゃないか」
「えっ!?」
幸村が定まらない視線を漂わせていると、ひょい、と目の前に兼続の顔が飛び込んできた。
「なんだ、酔っているのか。酷い匂いだ」
そう言って眉を顰めるのも麗しい。
「か、兼続殿……」
「お、この前の坊主じゃないかい」
え、と思って幸村が隣に視点を合わせると、見たことのある男と、見たことのない男。
「よう、覚えているかい」
軽く手をあげて挨拶してきたのは。
「慶次殿、でしたっけ?」
「そう、そう」
慶次は兼続の肩を抱いていた。
「か、兼続殿に触らないでください!」
「おっと、こりゃ失礼。彼氏の前でこれはないよなぁ」
「なに、これが兼続の今の好い奴なの?」
ひょっこりと口を出してきた髭面の男も、兼続の肩に馴れ馴れしく手を置いている。
「孫市、そんなんじゃない」
兼続がほんのりと頬を染めて俯いた。その後兼続は、はっ、と顔をあげて幸村を見た。
「あ、この孫市は昔からの知り合いでな。慶次はその孫市の友人と分かった所で、これから三人で呑みにでも行こうかと、そういった所なのだが、幸村は……」
「結構です」
幸村はその前までの浮かれ気分などどこへやら、一転沈鬱な気分になっていた。
「私は、全て知りました。その上で貴方に伝えたい事があったのです」
「ゆ、幸村……」
「なのに、貴方はそんな私の知らない輩とつるんでいたのですね」
やり場のない怒りがこみ上げてきて、幸村の目からぽろぽろと涙が零れ落ちてきた。
「そう、なのだが。幸村、ちょっと酔いを醒ました方が……」
「もう兼続殿なんて知りません!」
踵を返す幸村に、兼続の差し伸ばした手が宙を泳いだ。
「幸村……」
「なんだい、痴話喧嘩かい」
「男同士の痴情の縺れはややこしくなるぜ~。俺を巻き込むなよな」
「煩い、二人とも!」
兼続も涙目で喚き散らすので、二人は肩を竦めた。
「幸村の事、そんなに好きだったのかい?」
慶次が優しく話しかけてくるが、兼続は無言で俯いた。
「……」
「走って追いかけりゃ良いさ」
「……それが出来れば、こんなに苦しくない……」
幸村と同じ様に、兼続は泣いていた。
後から後から、涙は頬を流れ落ちていった。





その後、幸村は聚楽第に顔を出さなくなった。
そして『真田家の若君、婿へ行く』の報が聞こえてきたのは、それから暫く経っての事だった。


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