日記というか。

……まあ、日記です。同人向注意。

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花格子 22

花格子、更新です~。
一気呵成にラストまで駆け抜けて…行けたらいいな……









幸村が庭に通じる障子を開けると、そこには夢幻郷が広がっていた。

しゃん、

どこからか、鈴の音が鳴る。その音に合わせて、女が踊っていた。
巫女風の格好からすると、どこかの踊り巫女だろう。それが、庭で舞っていた。その様は幻想的で、幸村の志向は一瞬止まった。『怪異の類か』とさえ思った。
「やあ、ええ男はんや」
巫女は、踊りを止めて、幸村を見つめた。
「あんさんが幸村様どすかいな。さ、うちと一緒にいにましょ」
「ど、どこへ?」
「あんさんが逢いたいお人の所へ。うふふ」
巫女は幸村に手を差し伸べてきた。
『逢いたい人』とは、幸村にとって一人しかいない。今でも。
幸村はごくりと唾を飲み込むと、その手を取った。
「さあ、いきますえ」
「うわっ!」
ふんわりと傘に風を受けて宙を舞う。『やはり物の怪か』と幸村が思うより早く、屋根の上まで飛んだ二人は太い腕に抱きかかえられた。見上げると、色黒の大男が幸村を抱えていた。
「あ、この家の次男坊、この五右衛門様がいただいたぁ~!」
そう歌舞伎の様に見切りをとると、さっさと屋根を伝って走っていく。屋根から屋根へ。大柄な体格の割りに素早い身のこなしに、幸村はまたもや驚く。
「ご、五右衛門って、巷で噂の義賊の……?」
「そうよ。この俺が五右衛門様よ。今回はダチからの依頼でのお盗めだがな」
その後を、巫女が続く。
「ほんま、慶次様の頼みやなかったら、このままかどわかしたい位、好い男はんやなぁ」
「け、慶次殿の頼み!?どういう事ですか?」
「やあ、知りませんのん?『ダチのよしみ』や言うてはりましたわ」
幸村にはなにがなんだか分からない。ただ。
「本当に『逢いたい人』の元へ連れて行ってくれるのですね?」
「はいな」
巫女は莞爾と怪しい笑みを浮かべた。




「おお、待ったぜ~」
遊里の程近く。柳の木に慶次がぶらりとよっかかった側へ、どすんと幸村は落とされた。
「まったく、男をかどわかすなんて、義賊の俺様に頼むんじゃねぇぜ、慶次」
「いやさ、今回盗んだのはもっと大事なもんだい」
そう言って慶次は笑う。
「さて、行くかね」
「何処へ?」
問いかける幸村へ、慶次は笑って答えた。
「決まっているさね。一夜の恋の花を咲かせに参るのよ」


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