日記というか。

……まあ、日記です。同人向注意。

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花格子 23

花格子、更新です。久し振りに小説書いた。
この春には、花格子終わらせる!
言質を取りましたね。もう誤魔化せないね。
桜が日本列島に咲いている間に終わらせたいね。多分大丈夫。北海道は5月に咲くし。

ただ今、天/地/人を読んでいます。まだ出だしですが「この男前は何者じゃろう」って感じで、映像化されたのがあれになるとは信じられない程に兼続がカッコイイです。いや、別に俳優さんに文句があるわけでは……しかし映像化って難しいね。と改めて思いました。

続きから花格子どうぞ~。






遊里の界隈を、慶次の後ろをついて歩く。思えば、幸村は夜間に此処を訪れたことはなかった。
昼の顔しか知らない場所。しかし、本来ならば、此処は夜こそ本来の姿を現す場。現世から解き放たれた快楽と本能の住まう場所。
見知らぬ道を辿るかのように、ふわふわと歩く幸村だった。
「お前さん、大丈夫かい?」
「ええ」
慶次の気遣いに答える幸村の声は、震えていた。
その道は、確かに足が覚えていた。しかし、目に映る物は全てが見慣れた物とは違う。思うに、世の中の現象すべからくはそういう物だろう。なんにせよ、意外な程の二面性を持ち合わせている。
ふわり。
白い物が目の前を横切る。
なにかと思い空を見上げれば、桜の花弁が宙を舞っていた。そういえば、春である。吉原を真似て作られたこの遊郭には、吉原と同じく花見の習慣があるようだ。鉢植えの早咲きの桜が、大通りを賑々しく飾っている。
夜桜見物の客だろう。人々も桜を見上げながら談笑して通り過ぎていく。
幸村は桜が好きだった。その潔い散り際には好感が持てた。桜の様に散り逝くのが、幸村の望みだった。
だがしかし、今の幸村の望みは。
桜の堂々たる、しかし鉢植えの作られた物であるが故の歪さに、幸村は愛しい人の面影を重ねていた。
白い花弁はあの人の白い面を思い出させる。夜の薄ぼんやりとした灯りに照らされて、その姿は夢幻の様に浮かび上がった。
思いを馳せる幸村が頼りない足取りで歩いていくと、慶次の背中にどすん、とぶつかった。慶次はある場所で足を止めたのだ。
「さあ、着いたぜ」
慶次は幸村を振り返ると、にんまりと笑った。
幸村が連れて行かれた先は、あの聚楽第であった。
そんな予感はしていた。いや、確信していた。此処以外の何処に、幸村が足を運ぶ必要があるだろうか。
入り口では、三成が待ちくたびれた様に立っていた。その姿は花魁の衣装ではなく平服だ。三成は幸村の姿を目に捉えると、黙ったまま顎を振った。奥へ行け、という事らしい。
それはつまり。
兼続の元へと。
幸村はゆっくりと暖簾をくぐった。その背中にばしっ、と重い衝撃が走る。振り返ると、慶次が幸村の背中を再度叩いた。にやにやとした笑みが張り付いている。
「男、見せてきなよ」
幸村は、黙ったまま、ただ小さく笑みを浮かべた。

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