fc2ブログ

日記というか。

……まあ、日記です。同人向注意。

Entries

「寒い寒い」

お久しぶりです!無双インワンダーランド更新です!
忘れちゃった人はカテゴリの設定から読んでね!

今回は、ファンタジー世界の幸兼のお話です。兼続獣耳注意。






今日はダンジョンの新しい階層に下りてきた。ここは氷の階層。壁や床一面は凍りつき、天井からは氷柱がぶら下がっている。吐く息は白く、体温が急速に失われていく。
「寒い……」
「寒いのう……」
後列のミツナリとマサムネはがたがたと震えている。前列の重装備な三人に比べて軽装の二人は、余計寒さが身に堪えるらしい。
「なんだお前達、気合が足りないぞ!」
対して、後列の割りにやたら元気なカネツグ。ぶんぶんと武器を振り回して上機嫌だ。
「お前は元気そうだな」
「ラウルフは寒気耐性があるからな。イヌの遠縁だから、寒いのは得意だ!」
「ふむ。どれ」
ずぼっ!
ミツナリがカネツグの服の裾から、思いっきり手を突っ込んだ。
「ミツナリ、くすぐった……」
「おお、温い」
「なんじゃと!」
ぐいっ!
「ほかほかじゃ……!」
「マサムネ、お前まで!」
「儂の手がかじかんだら、罠解除が出来ぬぞ!」
「むぅ」
眉を顰めながらも、二人にされるがままになるカネツグ。その様子を見ていたケイジ。
「お、いいねぇ!それじゃあ俺も!」
だきっ!
「あったかいねぇ~。このまま冬眠してぇ」
「ケイジ!儂ごと抱きこむな!」
「カネツグから離れろ爬虫類!」
ぎゃあぎゃあ騒ぐ四人を、ユキムラは少し離れたところから静かに見守っていた。
(いいなぁ……私もカネツグ殿をモフモフしたい……)
じーっと見つめているユキムラに、サコンは声を掛ける。
「混ざってくるかい?」
「は……いえ!ぜ、全然羨ましいわけではないですよ!」
慌てて首を振るユキムラに、サコンは笑ってみせる。
「そうかい?まぁ、あの御仁達のテンションに割り込める雰囲気じゃないけどねぇ。この様子じゃあ、探索は打ち切りですね。いったんキャンプ張って休憩しますか。その旨、伝えてきてくれるかい?」
「あ、そうですね」
「キャンプは結界のおかげで少しは暖かいから、皆さんもカネツグさんから離れるだろうし」
からかいを含んだ声色で、サコンが続ける。
「独り占めするチャンスだぜ?」
「……っ!」
その言葉にユキムラは頬を赤く染めた。



キャンプの中に入ると、案の定。
「暑い。離れろ」
「もう貴様には用なしなのじゃ」
ぽい、と投げ捨てるようにカネツグから離れる二人。
(今なら、カネツグ殿がフリーだ!)
ジリジリ……
ポフポフと揺れているカネツグのしっぽにそ~っと手を伸ばす。
ぎゅっ
「ぎゃっ!」
「わっ!」
「なにするんだ、ユキムラ!」
べしべしっ
「す、すみません~!い、痛っ!噛まないでください!ちょ、ちょっともふもふしたかっただけです!出来心で……」
「なんだそうか。耳なら良いぞ」
「は?」
「ほら」
頭を差し出してくるカネツグに、ユキムラは恐る恐る手を伸ばす。
「え……はい」
ぽふぽふ
「ん~……」
眼を細めるカネツグ。
(カワイイなぁ……)
耳の根元を掻いてやると、「ぅん、」と小さく声が漏れる。
(かわ、っていうかエロ……)
「ユキ、ん、そこぉ……」
「こうですか?」
「あぅ、ふ、うん、ああ」
「快さそうですね。ねぇ、気持ち良いですか?」
「いい、よぉ」
「素直で良い子ですね。素直になってくれたら、もっとしてあげますよ。おねだりしてみて下さい」
「して……欲しい」
「人に物を頼むときは?
「してくださぁい、お、ねがい、」
「本当に……仕方のない人ですね」
「あ!んん、はぁ!」
「すごい。こんなに(耳を)ピクピクさせて……」
「だって、ユキが触るの巧いから……」
「でも、誰にでもさせるんでしょう」
「こんなイイのは、ハジめて、だからっ……ねぇ、もっと」
「そんな顔して、誘って。どうなっても知りませんよ」
「うん、ユキの好きにしてくれていい、から」
「それじゃあ……」

「続きは別のところでしろ。馬鹿」
ミツナリの声に、ふとユキムラが我に返ると、その場にいる全員の視線が突き刺さっていた。
「え~と……スミマセンデシタ……」
「?ユキ、続きはぁ?」
舌っ足らずに甘え声を出すカネツグに、ぐっと込み上げる物があったが。
「いえ、ちょっと……」
さすがに若いユキムラでも自重したのだった。



その後、もふもふを新調したミツナリ。
「暖かいのだよ」
「でもそれって、暖かい階層だと蒸れますよね」
「……」
「痛い!無言でサコンを殴らないでください!俺悪くないし!」



Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

ご案内

プロフィール

成成

Author:成成

最近の記事

最近のトラックバック

ブロとも申請フォーム